情景「プールサイド」

2021/03/01

郷の春告げ草

陽だまりが心地いい。陽に誘われて歩いてみませんか。小さな草花が咲き始めています。毎年忘れずに、さりげなく、そっと春の訪れを告げてくれる花たちです。綺麗に撮ってもらって幸せそうですね。

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

プール棟の南側を始め、あちらこちらで蔓性の茎を地面に這わせていたツルニチニチソウ(蔓日々草)が、青紫色の形も目立つ花を咲かせ始めました。中には白い花のものもあります。

まだ冬枯れの芝にも、青い小さな可愛い花が目につく様になってきました。オオイヌノフグリです。他の植物が繁殖しない冬の間に広がって、春のこの時期に群生して多数の花を咲かせます。

朝に開花し、夕方には花弁が落ちるということですが、確認したことがありません。在来種のイヌノフグリに似ていながら、それより大きめなので、こう名付けられたのだそうですが、今やイヌフグリの方は絶滅危惧種となっています。
瑠璃唐草(ルリカラクサ)という別名もあるそうです。

芝生には、春の七草の一つであるハコベラも顔を出していました。正確にはコハコベ(小蘩蔞)です。数センチの草丈の、紫がかった茎の片側にだけ軟毛が生えています。よく見ると前掲のオオイヌノフグリが群生している写真にも多数写っています。

コハコベの花です。大きさは直径数ミリです。モジャモジャの毛が目立つ萼をマントの様に纏ったままです。白い花弁は五枚なのですが、切れ込みが深いために十枚に見えます。

同じく芝の中に見られるホトケノザ(仏の座)は、名前の通り、茎を取り囲む葉が仏像の蓮華座を思い起こさせます。茎を取り囲んでいるかの様に見えるのは、対生の二枚の葉が殆ど接しているからですが、それが三段にもなっている様子を見ると、名前のつけ方が絶妙であると思います。春の七草の一つにあるホトケノザは同名で呼ばれますが、コオニタビラコ(小鬼田平子)とも呼ばれる全く別の植物で、この写真にあるホトケノザは食べられません。

密になって咲く明るい紅紫色のホトケノザの花は、大きく口を開けた様な、変わった形をしています。上部は兜状で毛が密生しており、顎の様な下部からは、赤紫色の斑点を入れた二裂した舌の様な飾りを突き出しています。

花の形は似ていますが、こちらはヒメオドリコソウ(姫踊子草)です。在来種のオドリコソウに似ているものの、ずっと小振りなために「姫」が冠せられたのだそうです。

毛皮の様な葉ですが、色や皺から連想される様に、前掲のホトケノザともども、シソ(紫蘇)の仲間です。繁殖力が強いのか、芝生のそこここにあるモグラ塚(土竜塚)にまで生えています。オオイヌノフグリ、ハコベ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウといった、足元の草に咲く小さな花達が、春の兆しを感じさせてくれます。

見上げてみれば、プール棟の西側に広がる庭の河津桜が満開です。穏やかな陽光を浴びて、メジロ(目白)がチィチィと可愛らしい鳴き声を頻りと上げながら、枝から枝へ花から花へと、飛び移っていました。

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