情景「プールサイド」

2022/03/17

春のどやか

♫街角で偶然に出あった とてもとても遠い日
幸せを尋ねる戸惑い どうしてか聞けない僕です
開いたばかりの花の香の 春のどやかなひろがりが
あなたの周りにさざめいてます
時はもとに戻れないと ・・・・

小椋佳が「時」の3番で唄う”春のどやか”は少し切ないですが、昨日今日、郷を訪れる”春のどやか”は春爛漫を届けてくれているようです。

庭のそこここに春、はる、そしてハル・・・・

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

葯が割れる前のコハコベ(小蘩縷)を見るのは珍しいと思って先週ご紹介したのですが、翌日また別の個体を見つけました。余程の稀少な偶然なのか、それとも、ただ単に珍しいと思い込んでいただけなのか …

きちんと花開いているタネツケバナ(種漬花)がありました。中央の花では、雄蕊に一部を隠された構図になってはいるものの、雌蕊の太い茶色の花柱と薄い黄緑色をした柱頭がお分かりかと思います。そんな花柱も右側の花や左側の花では既に突出しており、右側奥では棒の様に伸びて、いかにもタネツケバナらしい姿となりつつあります。

桜の大木の根元に、こんな小さな可憐な花が …。フラサバソウ(フラサバ草)です。一見オオイヌノフグリに似ていますが、大きさはその3分の1くらいしかなく、そのため萼と葉の毛が目立ちます。カタカナでフラサバと書かれる名前は、江戸末期から明治にかけて日本に滞在していたサバティエが採集して、標本を本国フランスの友人フランシェに送り、その後、共著の日本植物目録に記録したことが由来とか。オグシオとかタカマツとかと同じ方式ですね。

ふと見上げると、満開のカワヅザクラ(河津桜)を前景にして青空に昼の月が見えました。

(昼どきの”桜に月”を見事に捉えてくださいました。今宵はあいにくと見えませんが月齢は14.7、明日が満月だそうです。)

芝生のあちらこちらにスズメノヤリ(雀の槍)が見られる様になりました。真っ直ぐに突き出た茎のモジャモジャとした頭(この写真の部分です)を大名行列や儀礼に使われる毛槍に模した名前だとか。スズメというのは単に小さいことを意味しているそうです。葉に付いている長くて細い毛が目立っています。

もう一つ目立つのは、イネの様な形の個々の花から3本ずつヒョロヒョロと伸び出た雌蕊です。真っ直ぐにではなく、不規則にヨタヨタしながらです。雌蕊は半透明といった感じのうえ、それぞれに細かい繊毛が多数ついているので、キラキラと輝いて見えます。

やがて雌蕊は萎れ、今度は雄蕊が出現しようとしています。雌性期から雄性期への転換です。風媒花によく見られる、両性期を無くすることによって自家受粉を避けるという巧みな仕掛けです。

春の定番、ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)も咲き始めました。カラスノエンドウ(烏野豌豆)の別称の方が通りが良いかも知れません。矢筈とは弓に掛けるためにつけてある矢の窪みのことだそうで、葉の先端が少し凹んでいるのをそれに見立てたのでしょう。

(カラスノエンドウが伸び始めたなと道すがら目にとどめていましたが、花は見つけられませんでした。出ていましたね。)

ユキヤナギ(雪柳)の蕾が美しい時期です。先の方が僅かに薄紅掛かっている蕾の花弁が緩やかに花開いていく様子を見ると、ユキヤナギが薔薇の仲間であることを実感します。満開に華やぐ前の蕾の美しい一瞬です。

(雪柳の花開くさまを1枚で見事に捉えてくれました。雪柳は長く枝垂れる姿がいいと思いますが、すこし刈り込み過ぎが見受けられます。剪定にも気を配っていきたいと思います。)

秋から蕾を付けていたアセビ(馬酔木)も漸く花を開きました。馬が葉を食すとその毒に当たって酔うが如くにふらつくようになる木、というのがこの難読漢字の由来とか。それほどに有毒であるので、草食動物でもアセビを食するのは避けるのだそうです。でも今の時期には揺すると音がしそうな咲きぶりです。

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