情景「プールサイド」

2021/02/01

春のいぶき

寒風が吹きすさび、雪国では雪かきや屋根の雪下ろしに苦労が続いています。そんな中にも季節は歩一歩と着実に時を刻んでいます。柴橋さんが春のいぶきを届けてくださいました。

 

院長室棟の西の梅が咲き出しました。白の八重咲きです。ヤエヤバイ(八重野梅)という品種ではないかと思います。

 

(梅一輪開かんとして戸惑えり)

やがて

(木枯らしの吹く間の温み梅匂う)

ひょうたん池の南側奥を始め、あちこちに水仙が咲いています。これも八重咲きの、ヤエザキニホンスイセン(八重咲き日本水仙)です。八重に見えるのは、雄蕊が花弁化しているからです。

こちらは、第一病舍の北側の芝に咲いている、本来のニホンスイセンです。副花冠が黄色で、これが、名前の通り、日本の在来種です。

桜には、梅同様、沢山の品種がありますが、第一病舍の東と北側には、馴染み深いソメイヨシノ(染井吉野)とオオシマザクラ(大島桜)が見られます。そのソメイヨシノの冬芽です。ソメイヨシノは、葉に先んじて先ず花が咲くので、やや丸味を帯びた花芽が、やや尖った葉芽よりかなり目立ち、また、寒さに耐えるためなのか、短いながらも銀色の毛が見られます。

一方のオオシマザクラは、花と葉が同時に開くので、丸みを帯びた花芽と紡錘型の葉芽が同じくらいの大きさです。暖地が原産なせいか、表面にも毛が見られません。二者択一ならば、冬芽を見るだけで、オオシマザクラとソメイヨシノの区別はつけられます。

北側の塀際に立つセンダン(栴檀)の高い枝に、ムクドリ(椋鳥)が日向ぼっこをしながら、僅かに残った実を摘んでいました。あれだけ豊富にあった実がもうすっかりありません。鳥にとって、冬は食材が少なくなる時期なのでしょう。

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