2022/10/20
久々に澄み渡った青空、プールサイドから西側の窓越しに富士山が見えました。庭園の桜が色づきを増しながら葉を少しずつ落とすようになり、葉隠れになっていた富士山がプールからも見え易くなっているのです。今年は初冠雪が9月30日にあったのですが、雪は直に消えたそうで(静岡新聞)、今日の富士山はまだ夏姿のままでした。澄んだ空気には冷気が伴います。夜間の水温低下の抑制と結露防止のために閉館後のプールにカバーシートを掛始めました。
真白き富士の嶺もそう遠くはないことでしょう。
(以下、柴橋さん投稿です)
正門正面のニシキギ(錦木)が美しく紅葉してきました。上半分の鮮やかな赤と下半分の緑が対照的です。
ニシキギの枝には、鋭いカミソリの様な翼(よく)がついています。うっかり触ると切れそうです。正門右手にあるコマユミもニシキギの仲間なのでそっくりなのですが、翼は顕著ではありません。
正門から正面遠方、旧南湖院第一病舎の脇の桜も色づきました。これは緋桜でしたね。
キヅタ(木蔦)の蕾です。一つの球状の塊では、一斉に伸び出すのかと思っていたのですが、これを見てそうではないことを認識しました。小さな蕾が遅れて出てきています。
確かに開花はまちまちです。まだ蕾状態のもあれば、開花直後のもあり、葯から花粉を出し始めたものもあるかと思えば、既に雄蕊と萼は落ちて雌性期になったものもあります。
イヌタデ(犬蓼)にいたハナグモ(花蜘蛛)です。蜘蛛の巣を張ることなく、じっと小さな虫が来るのを待つ蜘蛛です。よく見ると、眼が4つあります。
甘い香りを漂わせているナワシログミ(苗代茱萸)の花には、小さな虫が引き寄せられて入り込んでいます。どこからやって来るのでしょうね。
芝生の一角に丸いものがいっぱい。ヒメクグ(姫莎草)の花穂です。細長い葉が数枚出ている茎の先端についているのですが、あまりに細長い葉自身が茎の様に見えてしまい、茎の途中に花穂がついているかの様な印象を持ってしまいます。
これが、その花穂です。小穂の集まりです。それぞれの先端から花柱がヒョロヒョロと伸び出ていて、その先端は2つに分かれています。なるほど花ですね。
小穂がブラシ状に咲くチカラシバ(力芝)です。ピンと張った黒く長いブラシの毛が目立ちます。そんな中、葯は結構沢山見えるのですが、極小ブラシの雌蕊は僅かに見える程度です。雌性先行で雄蕊が遅れて出現するので、そのときには雌蕊は殆ど姿がないという訳です。引き抜くのに大変な力を要するのでこの名なのだとか。
よく混同されるのが、エノコログサ(狗尾草)です。名前は犬の尻尾の様だという意味ですが、猫ジャラシの通称でも知られていますね。力芝が直立しているのに対し、こちらは、この個体はそうではないですが、子犬の尻尾の様に先が垂れたものが多いです。
野菊とひと括りにして呼ばれる野生の菊にもそれぞれに名前があります。これはノコンギク(野紺菊)でしょうか。先端が薄い紫色の、素朴な野の花です。小さな蟻が蜜に誘われて寄って来ていました。
コスモスとは宇宙を意味する語でもあります。なぜ、この花が宇宙なのか、不思議に思っていました。整然と並ぶ花弁が宇宙の調和を連想させるのが語源とかいう説明には到底合点をする筈もなく釈然としなかったのですが、改めて花を観察して、「おお、そうか」と勝手に納得してしまいました。筒状花の形が、なんと、綺麗な☆型をしているではありませんか。でも待てよ、他のキクの仲間の花でもそうなのかも、と冷静に思い直して、近くの野菊、ノコンギクを観察してみると、こちらはそうではありません。他のキク科の花の写真を引っ張り出して見ましたが、いずれも違います。そんなこと、今頃気付いたのかと笑われるかも知れませんが、「そうか、そうか」と、自分の中でのこの大発見に嬉しくなってしまいました。
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