情景「プールサイド」

2025/04/23

こんなところに山桜

プール棟西側に百日紅(サルスベリ)があります。この株間から山桜が出ているのには驚きました。百日紅は夏の花、今はまだ葉芽が出るか出ないかといったところで冬の裸木そのままです。そのの樹間に花開く山桜が今年は目立ちました。百日紅の背丈にも増して山桜の成長が進んできたということだったかもしれません。それにしてもどうしてここに山桜が、という疑問が残ります。鳥がサクランボを食べて、それをここに落した実生としてみましたがどうでしょうか。この先山桜の生育は年々進むことでしょう。百日紅とどう共生していくのか楽しみでもあります。

 

 

(4/24 以下、柴橋さん投稿です)

カーブミラー近くの東側の生垣にムベ(郁子)の花咲く時期になりました。アケビ(木通)の仲間ですが、アケビとは異なり常緑であることから、別の名はトキワアケビ(常盤木通)。アケビ同様、雌雄同株の雌雄異花で、写真は雄花。外側は白っぽいクリーム色ですが、内側にはやや赤紫の筋が多数。花弁であるかの様な萼片が、花をタコウィンナー形とでも形容すれば良いような形に仕立て上げています。雄花に雌蕊はなく、6本の雄蕊は合着しています。

 

こちらは雌花。雌蕊が3本見えています。ムベの名の由来は、1400年も前の昔、天智天皇がこの実を食べてみて、この実を食べている人たちが長寿で元気なのも「尤もである」という意味で「むべなるかな」と感銘したからとか…。葉が最初は三枚、やがて五枚に、成長すると七枚になることもあり、ムベは縁起が良いとする人も多いとか。漢字表記の「郁」は「香りが良い」という意味を表す字ですが、ここでは満開のフジ(藤)の香りに押されているので、郁子の香りを楽しむには鼻を近づける必要があります。

 

生垣に沿って正門に近づくと、小さな花が多数の束となって咲く木が目に入ります。モチノキ(黐の木)です。雌雄異株で、これは、雄蕊を4本突き出している雄花。中央にあるべき雌蕊は退化しています。モチノキの名前は、昔はこの木の樹皮から鳥を獲るための鳥黐(とりもち)を作っていたからの様です。この頃はトリモチという語も通じないかも知れませんね。

 

雌株は、旧院長室棟の北東など、庭に何本か見ることができます。この時期、雌花はもう子房が膨らんでいます。やがて直径約1センチの球形になり、秋には赤く熟すことでしょう。この写真からでも分かりますが、モチノキの花は蜜が多く、なので蜂の大好物。モチノキの蜂蜜、今度試してみようっと。

 

旧院長室棟の東には、ヤマグワ(山桑)の雄株も花を咲かせています。こちらは風媒花ですから飾り気はなし。雄蕊が多数突き出ているだけの様に見えるのですが、よく観ると、蕾状態では雄蕊4本で一塊になっていますから、それが一つの雄花で、それらが花序として集まっているというのが正確な描写の様です。

 

雌株は、ひょうたん池の南西に見ることができます。これが雌花。初めて見た時は、花とは思えずただただ吃驚しました。くねくねとした一本一本が雌蕊。先端は二裂しています。それが日々伸びてくるのですから虫か何かかと思ったものでした。やがて花柱が落ち、暗赤色から黒紫色の粒が集まった果実となります。海岸の防砂林中にもヤマグワが散在していますが、鳥が果実を啄んで広めたのでしょうか。

 

旧院長室棟の東にはサンショウ(山椒)の雄株も花を咲かせています。これも風媒花ですから飾り気はなし。「グー」の蕾が開くと、5本の雄蕊を突き出します。低木でもあり、レンズを向けたくなる花なのですが、茎に鋭い棘があるのでうっかりすると痛い目に遭います。

 

プール棟東のケヤキ(欅)の花がどうなったか観てみると、雄花はもはや姿はなく、雌花はちゃんと結実していました。まだ花柱の名残を残している幼果ですが、立派な果実です。秋にはすべて鳥に啄まれます、と言いたいところですが…… ケヤキは秋に葉を落とすのみならず結構沢山の細い小枝も落とします。単に細いから落ちるのかと思っていたら、然に非ず。実をつけた枝を実ごと落として実生させるのだとか。秋になったら観察してみましょう。

 

エノキ(榎)の方はどうでしょうか。こちらも雄花は跡形もなく消え去り、両性花は花柱の痕をかろうじて残して結実していました。エノキの果実は色とりどりに熟すので華やかですが、鳥にも人(?)気が高くて、秋の終わりには食べ尽くされている様に思います。

 

プール棟正面の門傍のシラカシ(白樫)、秋にドングリが実ることは承知していますが、花を見てみたいと思っていました。毎年そう思っていたのですが、花の多いこの季節、つい機会を逸していたのです。今年こそはと思っていたところ、見つけました、ありました。どうやら雄花の様です。雌花は見当たりません。もう終わってしまったのでしょうか、それともまだこれからなのでしょうか。

 

 

 

 

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