情景「プールサイド」

2021/05/13

五月の装い

五月も半ばになろうとして、郷の庭は初夏の趣です。そんな中、今日の茅ヶ崎は小雨交じりのやや肌寒さを感じる一日でした。長袖に戻したり、セーターを腕に通す人もいらしたようです。
暖かさに誘われて芝の合い間から顔を出した花たちも少し戸惑いを感じたかもしれません。

 

(以下、柴橋さん投稿です。)

満開になったテイカカズラ(定家葛)の生垣が、道沿いに甘い香りを漂わせています。

その香りを愛でるかの如くに、門の前の電線に止まったカワラヒワ(河原鶸)が、体を震わせる様にしてキリキリと独特な可愛い声で鳴いていました。実はどこか近くの雛たちに警戒を伝える地鳴きなのかも知れません。カワラヒワは、日常的に身近に見られる、スズメより少しだけ大きめの鳥です。鳴き声を上げてなくても、尾羽に窪みがあることから、遠目にもスズメと容易に区別できます。翼の色彩が綺麗なのですが、残念ながらこの日はそれが見える姿勢をとってはくれませんでした。

クスノキ(楠)の大木も満開となりました。小さな花なので、個々の花は遠目には判りませんが、樹全体に何かが白っぽく降りかかったかの様に見えます。この時期だけの光景です。

小さな花がこの様な集団となって、樹の下から上まで満開となって咲いています。

若葉の色がすっかり緑濃くなったと思ったら、柿の花が咲き始めました。本来、柿は雌雄同株なのですが、果実の収穫量を増やすために、栽培品種によっては雌花ばかりとなるように品種改良されているそうです。旧第一病舎の南に立つ柿の樹も、雌花ばかりを咲かせています。大きい萼は、柿の実の蔕(ヘタ)そのものです。

旧院長室棟近くには雄花ばかりの柿の樹が見られました。柿の雌花は互いに離れて咲いているのに対し、柿の雄花は集団となって咲いています。萼も小さく、釣鐘型をした、可愛らしい花です。

一見したところエニシダにそっくりな花が、芝生を這う様に、咲いています。ミヤコグサ(都草)です。

ジベタリアンのこの花を写すと、コメツブツメクサやシバやスズメノヤリといった野の花が一緒に映り込みます。

シャリンバイ(車輪梅)も白い花を咲かせ始めました。中央の雄蕊は黄色から時間とともに紅色に変わるので、見る時期によって印象が随分違って見えます。

小さな穂が細い枝で垂れ下がったコバンソウ(小判草)が風に揺れています。穂は10〜20の花らしからぬ花から成っています。風媒花として雌蕊を外に現し始めました。昔からある在来種と思っていましたが、意外にも明治時代に欧州から、しかも観賞用に持ち込まれた帰化植物だと知り、驚きました。

お問合せ

  • TEL:0467-83-8274
  • アクセス(送迎バスあり)
  • webからのお問い合せ

ページトップへ