2023/03/30
プールの断熱戸開閉のきしみ音かと思いきや、小鳥のさえずりでした。どこから迷い込んだか上部換気窓辺りでチュンチュク鳴いているのです。シジュウカラでしょうか、出られないと泣いていたのかもしれません。なんとかしてあげねばと屋根に上り換気窓を全開にしたのですが、小鳥は西側の窓に移って、斜行する窓上部を行き来しています。南面サッシも開けたのですが気付いてくれない。何度目か上に行ったところを竹竿で追いやると・・・、やっと換気窓にたどり着いて大空へ飛び出て行きました。プールの皆がホッとする瞬間でした。もう1度屋根に上り、換気窓を調整し直して小鳥騒ぎはおしまい。・・・と、おまけがあったのです。東外壁を伸び上ってきた羽衣ジャスミンとの出会いです。思わずハッとする香りと美しさ、いいことあるもんですね。小鳥のお礼に違いないと思いながら、慎重にはしごを降りたのでした。
(以下、柴橋さん投稿です。)
プールの大窓から見事に満開の桜を見ながら泳げる時期になりました。贅沢な空間と時間に感謝です。このヤマザクラ(山桜)、特筆すべきは香りの良さ。近寄るだけで辺りには品の良い甘い香りがいっぱいです。
第一病舎西側の桜は遠くからでも目立つ緋桜です。色は目立つものの、香りは全く目(?)立ちません。
姿、色、香り、花付きの華やかさ、全てが揃っているのは、やはりソメイヨシノ(染井吉野)のような気がします。「てんぐ巣病」対策として広まってきたジンダイアケボノ(神代曙)も、香りの点では染井吉野には叶いません。
第一病舎の北側、西壁際の桜はオオシマザクラ(大島桜)でしょうか。素晴らしい香りです。この個体では、中央に少し立ち上がった花弁が1枚加わっています。正門入ってすぐの小振りなオオシマも良い香りです。プール北側の大木のオオシマは背が高過ぎて花に近付くことが出来ず、残念ながら香りを試すことが出来ませんでした。
シャクナゲ(石楠花)が満開。見事の一言です。
キブシ(木五倍子)も上から下まで満開です。花弁が開き切らないところが奥床しい。
トサミズキ(土佐水木)の連なった上部の花は、雄蕊と花弁が落ちて、花柱が残っています。土佐水木も花蜜が豊富の様で、その根元にはまだ蜜が光っています。
ユキヤナギ(雪柳)の小さい花も虫達に人気です。これはニジゴミムシダマシ(虹偽歩行虫)。漢字はまだしも、読みの方は全くひどい名前を付けられたものです。艶のある黒に見えますが、それを基調としつつ、光の当たる角度によって変化する虹色の光沢です。花弁を齧っているところでしょうか。
東の生垣にはムベ(郁子)の芽から葉が出始めました。新緑とは言わず、何と表現すべきでしょうか。
美しいケヤキ(欅)の新緑の出現は、桜の開花に負けず劣らず、驚きの変化です。何もなかった枝に小さな芽が現れたと思ったら、あっという間に大木が新緑でいっぱいに。一瞬に過ぎ去る、短くも美しい時間です。
庭のあちらこちらにあるエノキ(榎)にも沢山の花が咲き出しました。風媒花ですから派手さや華やかさはありませんが、観るには面白い花です。来泳者駐車区域の南の芝の中のエノキ(榎)は低い枝にも咲いているので好都合です。白い毛が密生して、ニョロニョロと二裂しているのが雌蕊の花柱です。その根元にはまだ開いていませんが雄蕊が。両性花です。
両性花が枝の先端につくのに対し、枝の下部に咲くのは雄花です。拳骨の様なというか、モンキーバナナの様な状態から、雄蕊をパッと十文字に開いて手裏剣状になります。急激に変身するものなのか、変化の中間状態を目にしたことがありません。
こちらは野の花、中間状態を観ることができるスズメノヤリ(雀の槍)です。ヒョロヒョロと伸び出ていた雌蕊が枯れてきました。受粉した雌蕊の子房が黄緑色に膨らんでいますが、その花からは今度は雄蕊の登場です。巧みに自家受粉を避ける仕組みです。
郷にお住いの方からお誘いを受けて、住居棟南庭の立派なサクラを見せて頂くという幸運に恵まれました。何とも上品な甘い香りを周囲に漂わせながら、てっぺんから地表近くまで本当に満開の大樹に圧倒されました。
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