情景「プールサイド」

2022/06/09

紫陽花の頃

アリスはお好きですか。初めの頃の歌に ”紫陽花” があります。(昭和50年頃)

♪愛の故郷はどこにある あなたは私にたずねたけれど
答えることは出来なかった あの時感じた胸さわぎが
やがてくる別離を教えてた 紫陽花の頃が過ぎ
心淋しい季節がくる けれど私は一人きり

♪愛の故郷はどこにある やっと気づいた愚かな私
遅すぎたけれど今はいい 死ぬほどつらい想い出だけど
笑って話せる気がする私 紫陽花の頃が過ぎ
心淋しい季節がくる けれど私は一人きり

フルコーラスを唄い切った方もいるのではないでしょうか。紫陽花が咲き始めています。梅雨空にお似合い、穏やかな色づかいで何かにつけ揺れ動く心を和ませてくれます。ほろ苦い想い出を懐かしむかのように堀内孝雄が流れてくるような・・・

 

 

黄色の花もたくさん咲いてます。
(以下、柴橋さん投稿です。)

プール棟の南にオオキンケイギク(大金鶏菊)が群生して咲き始めました。菊の仲間ですから、花弁の様な舌状花と、中心部の筒状花から成っています。そのどちらも同じ橙黄色です。ヒマワリ同様、太陽を追って花が向きを変えるのですが、日照のないこの時期は……

 

一方正門寄りの芝の一角にはアラゲハンゴンソウ(粗毛反魂草)の群生が咲き始めました。花名ではなく属名なのですがルドベキアという名でも広まっています。これも菊の仲間ですが、舌状花は黄色であるのに対し中心部の筒状花は濃い茶色です。でもやはり粗毛が第一の特徴でしょう。

 

ロータリー近くに咲くタイリンキンシバイ(大輪金糸梅)です。隣には大輪ではない普通のキンシバイ(金糸梅)が咲いています。両者の花は大きさこそ違いますがそっくりでよく似ています。違いは葉のつき方。キンシバイは左右で対になった葉がそのまま並ぶ「対生」であるのに対し、タイリンキンシバイの方は左右で対になった葉の向きが上下で直交する「十字対生」です。

 

散策路沿いに咲くキンシバイの仲間、ビヨウヤナギ(未央柳)は花弁の外に飛び出す長い雄蕊が特徴です。雄蕊を金の糸に例えるのならば、金糸梅や大輪金糸梅よりこちらの方が適しているように思えます。

 

そのほぼ向かい側に咲くゼンテイカ(禅庭花)です。ニッコウキスゲ(日光黄菅)の方が通りは良いかも知れません。色も形も大きさも目立つ花なのに、咲いたその日のうちにしぼむ一日花です。

 

その周りに纏わりついて伸びているのはヒメスイバ(姫酸葉)です。雌雄異株で、咲いているのは雌花です。といっても風媒花らしく装飾はなく、毛羽立った雌蕊だけです。

 

黄色の花をもう一つ、コマツヨイグサ(小待宵草)です。夕方から咲くとされている割には、夕方というには結構早い時間から咲いています。先端が4つに分裂した柱頭が目立っています。

 

ムラサキカタバミ(紫片喰)は、紫というよりピンク色です。繁殖力が強いのですが、意外にも結実することがなく、地下の鱗茎が自分の小さな分身を作って増殖するのだそうです。

 

しばらく歩くと、ホタルブクロ(蛍袋)の群生に出会いました。この一輪、花を支える茎の曲線が自然な優雅さですね。

 

マテバシイ(馬刀葉椎)の花が咲き、遠目にも樹全体が白っぽく見えるようになりました。とはいえ、細い洗浄ブラシの様とでも形容するべきか、動物の尻尾の様なものがツンツンと伸びているだけですから、これが花?と思われるかも知れません。

 

雄花が連なって尻尾の如き様相となっています。ブラシの様に見えるのは雄花が雄蕊だけから成っているからです。いくつか丸いものが見えるのは、昨年咲いた雌花が実ったものです。2年かけてドングリになります。待てば椎(マテバシイ)なのです。果実の近くに1つ今年の雌花らしきものがあるのが分かりますか?

 

クヌギ(櫟)も代表的なドングリの樹です。こちらも2年かけてドングリになります。花の時期はもう過ぎてしまったのですが、ようやく実った果実を見つけました。クヌギの果実は外観が特徴的なので、今後の変貌ぶりを追いかけたいと思うのですが、樹の陰になっていて見辛い……

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