情景「プールサイド」

2022/05/19

庭に憩う

郷の庭には多くの方々が訪れてくださいます。南湖院を訪ねる人、草花を愛でる人、昆虫を追う子ら、・・・。
ホームに住まう方々にとっては憩いの場でもあります。金雀枝(えにしだ)が咲き芝の間に間に都草(みやこぐさ)がほころぶその向うでベンチに腰をおろしたご夫妻の悠久のひと時。ここでは老境を迎えるお手本にもたくさん巡り合うことができるのです。自分にはできそうもない素敵な絵に出会う度、何とはなしにほっとさせられています。

夫(つま)想う日傘持つ手のかたぶきぬ

 

それぞれの実りが始まっています。
(以下、柴橋さん投稿です。)

ひょうたん池の周りのヘビイチゴ(蛇苺)が赤く熟した実となりました。見かけに反して、水分も少なくて瑞々しさに欠け、害はないものの食するものではないそうです。蛇も食べないのだとか。

 

プール棟西側のブラックベリーには花が咲き始めました。結実するのはまだ先です。こちらは勿論食べられます。

 

ヤマグワ(山桑)の果実も色づいてきました。もう少し熟せば、そして口の中に色が移ることさえ気にしなければ食べられます。

 

芝生に目を転ずると、ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)の豆果の鞘が黒くなっています。カラスノエンドウ(烏野豌豆)という別称は、この色から来ています。豆果が空に向かって付くところは、空豆(そらまめ)と同じ仲間であることを示しています。

 

豆果は熟すと鞘が破れて豆が飛び散ります… では、どうやって破れるのでしょうか? …熟すと自然に鞘が捩れて破裂するのです。

 

カラスノエンドウより小さいから、と名付けられたスズメノエンドウ(雀野豌豆)も空豆の仲間と分類はされていますが、豆果は空を向かず、下向きです。

 

フジ(藤)も花が終わり、実が出来ました。熟すのは晩秋〜初冬で、まだまだ先の話です。フジの場合には、鞘が破れる頃の豆果は大きいので、破れた鞘が捩れているのに気付かれている方も多いと思います。

 

秋に熟す果物、カキ(柿)の花です。柿は雌雄異株で、この個体は雌株に咲く花ですので雌花です。大きな萼は、柿の実の萼そのものですね。

 

こちらは雄株に咲いた雄花です。「桃栗3年、柿8年」と言いますが、この木には何年経っても実はなりません。

 

芝生にはまだコメツブツメクサの黄色の花がいっぱいですが、ところどころに同じマメ科でももっと大きな黄色い花が目立つ様になりました。ミヤコグサ(都草)です。花の形を烏帽子に見立てて、エボシグサ(烏帽子草)という別名もあるそうです。

 

同じく、芝生に顔を出したニワゼキショウ(庭石菖)です。うっすらとした紫色の筋は、花被片の裏側のはっきりした筋が透けて見えたものです。雌蕊と雄蕊がほぼ同じ長さなので、自家受粉を防ぎようがない様に思えるのですが、花粉の放出に時間差をつけるなどの仕組みでもあるのでしょうか。

 

紅紫色のものもあります。花被片の裏側のはっきりした筋が少し映り込みました。葉が湿地に育つセキショウ(石菖)に似ていて庭に生えるのでこの名がつけられたのだとか。石菖はひょうたん池の水辺に見られます。葉はともかくとしても、花の姿は全く異なります。

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