2022/04/14
先週、廊下の窓に掛けたポリカーボネイト波板を外しました。第一病舎がよく見えるようになりました。
今週は、プールの窓からも外しました。窓ガラスは、冬季、外気で冷やされてプールの湿気を結露させ、窓台に夥しい水を滴り落とします。処置に随分苦労しました。窓の内側に窓枠分の幅を置いてポリカ波板を張ると、外側のガラス面とで構成する空気層が格段に優れた断熱性能となって、結露は生じなくなりました。室温低下の抑止にも役立ってくれました。今年も役割終了。労をねぎらい、水洗いして収納しました。
半透明の波板が外れてプールから外が見えるようになりました。一息入れながら春爛漫の庭園をお楽しみください。
(以下、柴橋さん投稿です。)
ツクシが終わって出て来たスギナ(杉菜)です。スズメノヤリ(雀の槍)、ヒメオドリコソウ(姫踊子草)、キュウリグサ(胡瓜草)、コハコベ(小蘩蔞)、オランダミミナグサ(和蘭陀耳菜草)と… まずは百花繚乱の一枚。
ソメイヨシノの桜と同様、花がまず先に咲いて、その後から葉が出てくるエノキ(榎)です。大きな違いは、エノキの花は雌雄別で、しかも風媒花であること。従って花にも桜の様な華やかさはありません。まずは雄花が開花します。開花直前の雄花は、じゃんけんの「ぐう」の様な姿ですが、翌日には、パッと十文字に開いて「ぱあ」ならぬ手裏剣の様な姿に早変わりです。
雌花(正確には両性花)は枝の先端近くにだけ現れる様です。ポニョポニョとしているのが雌蕊です。雄花よりも数日遅い開花というのが普通の様で、周りの雄花は、既に花粉を放出し終わっている様子です。正門傍をはじめ、庭のあちこちにエノキの樹があります。
エノキやイロハモミジが雌雄同株であるのに対し、ヤマグワ(山桑)は雌雄異株です。旧第一病舎へと続く遊歩道をそのまま南に進むと、雌花を一杯つけたヤマグワの雌株が目につきます。雌花とはいえ、雌蕊をモジャモジャと生やしただけでおよそ花らしくはありません。咲き始めの時期、モジャモジャ雌蕊がいきなり出てくるその不気味な姿には驚かされました。
ヤマグワの雄花は、旧院長棟東側に咲いていました。エノキの雄花と同様に、最初は手を結んだ「ぐう」の姿で、やがて雄蕊を精一杯伸ばします。うん、これが雄株なのだ、と思っていたら、ファインダーの隅にモジャモジャ雌蕊が見えるではありませんか!
驚いて注意深く見ると、ところどころに雌花の姿があります。しかも雄花と同じ枝にです。えーっ!と驚いてしまいました。雌雄別株だと思っていたのに、雄株には雌花も咲くのです。それに対して、雌株には雄花はありません。うーん、そういえば、女子校は共学にはなりにくいのに対し、男子校が共学化になる例は多いなぁ、などという解釈にもならないことを思ったのでありました。
(我が男子高校も今や共学だそうです。)
この驚きの雄株の傍には、サンショウ(山椒)が花を咲かせていました。見るからに雄花です。雌花を探しましたが、全て雄花でした。よって、完全な雄株です。雌株を探したのですが、見つかりませんでした。近くに幼木がありますが、まだ花も蕾もないので雌雄不明です。
華やかな花を見たくなりました。庭の北西、桜の杜の心地よい半日陰に、タツナミソウ(立浪草)が群生しています。初期には招き猫の手の様な姿ですが、やがてスクッと背筋を伸ばして華麗な花を開きます。寄せ来る波と泡立ちを思い起こさせる姿にはタツナミソウという名前がぴったりです。
芝生の中に華麗ながらもひっそりと咲くキランソウ(金瘡小草)です。名前の読みと漢字表記が随分異なっていますが、漢字表記は中国での表記をそのまま受け入れたからの様です。金瘡とは刀傷のことで、漢名はキランソウの葉が切り傷に効用があることからだとか。タツナミソウもキランソウも花の形がどこか似ていることからも分かる様に、どちらもシソの仲間です。
同じく、芝生の中に蔓を伸ばしながら咲くカスマグサ(かす間草)です。「カ」ラスノエンドウと「ス」ズメノエンドウの中「間」の様な「草」というのが、名前の由来とか。なので、最初の二文字には漢字表記がありません。花脈が美しい可愛い花です。
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